風邪。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


アロエと健康

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 風邪は、ウイルスによっておこりますが、私たちの体には抵抗力があるので、空気中にウイルスがあるからといってすぐ風邪をひくものではありません。しかし、体の抵抗力が落ちてくると、たちまちウイルスにおかされてしまいます。風邪をひかなくするには、ふだんから体に抵抗力をつけておくこと。これがいちばんの方法です。

 そのためには、ふだんからアロエを定期的に服用することが効果的。アロエには、血行をよくし、胃腸の機能を高める働きがあり、抵抗力がつくので風邪をひくまえに予防します。
 もちろん、ふだん服用していない人でも、風邪をひいてから飲んでも十分効果が期待できます。アロエのアロエチンおよびアロミチンという成分が、ウイルスの働きを不活性化するのです。それと同時に、アロエの成分であるアロエウルシンには消炎作用があるため、風邪の諸症状のうちでも、咽頭、喉頭の炎症、たんなどに最も有効に働き、風邪をひいたときにアロエを飲むと、とても楽になります。
 服用はどんな方法でもかまいませんが、風邪のとき、あるいは風邪をひきそうなときは体をあたためるのがいちばんなので、ホットアロエジュースやアロエ茶などをおすすめします。風邪には卵酒なんてことをいいますが、アロエ酒にお湯を加え、レモンの輪切りを浮かべてホットアロエ酒にしてもよいでしょう。体がしんからあたたまります。

 たんが切れなくて困るときは、アロエあめか、しぼり汁を水あめや蜂みつでといて飲むと、たんの切れがよくなります。


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【 ポイント 】
あたたかい飲み物にして飲む。
ホットアロエジュースは、幅3センチ、長さ4センチくらいの生葉をすりおろしてお湯1カップ、蜂みつ大さじ1を加え、レモンスライスを浮かべる。
せきやのどの痛み、たん切りにはアロエあめ。


◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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