うおのめ。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 サンダルばきで気軽に、というのがままならない時代。われわれ現代人は長時間靴をはきつづけなければなりません。そのせいか、うおのめに悩まされる人がずいぶん多くなっています。

うおのめは、きつい靴をはきつづけたりして、足の一定の部分に外部からの強い刺激や圧迫をうけ、皮膚が角質化して骨のようにかたくなり、内部の筋肉を刺すようになったものです。放置しておくと、悪化して歩くこともできなくなってしまいます。
 歩行困難になるほど悪化したうおのめは、医師にメスで切り取ってもらうしかありません。しかし、それほどまでひどくないのなら、たいていアロエで治ります。うおのめは筋肉の内部深くにまで入り込んでいる目全体を取り除かないと再発します。ですから市販されているうおのめ切り器では、表面の部分は切り取れても、内部の深い部分の目は残ってしまうので、すぐ再発してしまい、効果がありません。

 ところが、アロエには消炎作用があり、やけどに直接効果を発揮し、アロエチンという成分は細菌感染を防止します。さらに、アロエには皮膚組織の再生効果があるので、傷の部分が盛りあがって、早くきれいに治るのです。

 治療は、アロエをよく洗って熱湯消毒し、皮をむいてなかのゼリー状の部分を取り出します。それをうおのめに張り、清潔なガーゼをあて、包帯を巻いてとめます。もちろん、アロエのしぼり汁をつけてもよいのですが、ゼリー状の部分を直接張りつけるか、アロエをすりおろして、それを患部に張りつけたほうが効果は大きいでしょう。
1日、2〜3回ゼリー状をとりかえ、これを数日繰り返すと、うおのめの角質化した部分がだんだん柔らかくなって、皮がはがれ落ちます。このとき、絶対に皮を手で無理にはがさないこと。自然にはがれ落ちるのを待つようにしてください。
 何回か皮がはがれると、うおのめがすっかりなくなり、穴が残りますが、アロエには肉を盛りあげる作用があるので、アロエを張りつづけると早く、きれいになおります。

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【 ポイント 】
熱湯消毒して、ゼリー状の部分を取り出してうおのめに張り、ガーゼをあてて包帯で巻く。これを1日、2〜3回とりかえ、数日繰り返す。
皮は自然にはがれるのを待ち、うおのめがすっかりなくなったあとに穴があいても、アロエを張りつづけると治りが早い。


◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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