あかぎれ、しもやけ。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 真冬、寒さや風で皮膚の脂肪分が不足しているときに、さらに水仕事などをして脂肪膜を失うと皮膚に裂け目ができ、ひびやあかぎれになります。この裂け目がひどくなると、水がしみたり、傷のようになって痛んだり、赤くはれあがったりします。

 ひび、あかぎれはアロエをつけても、傷のようにすぐ治るものではありません。特に、ふだんから皮膚がカサカサして脂肪気のない人は、冬が近づいたら、入浴時に手をマッサージしたりして血行をよくし、湯上りにアロエ汁をすり込むなど予防することがまずたいせつです。

 予防のかいなくできてしまったら、毎晩寝る前にアロエ湿布をして休んでください。アロエは血行をよくし、かゆみや痛みをやわらげる作用がありますので、とても楽になります。

 また、ひびやあかぎれは脂肪分が少ないということからおきるので、アロエ軟膏を塗っておくのも効果的です。軟膏は失われた脂肪を取り戻すほか、アロエの収斂作用で皮膚の裂け目を元に戻します。

 さらに、外用だけでなく、内用も併用すると血行をよくし、新陳代謝も盛んになります。
 寒さで手足の末端や耳たぶなどがはれあがった状態をしもやけといいますが、しもやけも、ひびやあかぎれ同様に予防が肝心。
寒い季節が近づいたら、手足や耳たぶを厚い手袋や靴下、帽子などで寒さから防ぎ、入浴はアロエ風呂にして、手足の末端を中心にマッサージをします。そして入浴後にはアロエ汁をよくすり込みましょう。

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【 ポイント 】
ひびやあかぎれは、入浴後に手をマッサージして血行をよくし、湯上りにアロエ汁をすり込むなどの予防が第一。
できてしまったら、就寝前にアロエ湿布をしたり、アロエ軟膏を塗る。
しもやけも予防が肝心。アロエ風呂に入り、手足の末端を中心にマッサージし、入浴後にはアロエ汁をよくすり込む。


◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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