歯痛、歯槽膿漏。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 歯痛は、何ともいいようのない、耐えがたいものです。これは、多くは虫歯が原因ですが、虫歯は食後、歯についた糖分などが口腔菌に分解され、できた酸が歯を溶かしていくためにおこります。その結果できた穴はますます食物のカスがつまりやすくなり、ほうっておくとさらに虫歯を大きくするという悪循環を繰り返します。

 いっぽう歯槽膿漏は、歯を支えている歯ぐきの病気で、虫歯でもないのに歯ぐきがはれ、ついには歯がグラグラしてきて抜け落ちてしまいます。

 虫歯は一度かかると、ほかの病気のように自然に治るということはありません。また、歯槽膿漏も手当てが遅れれば治すことがむずかしくなります。いずれも、必ず専門医の治療を受けてください。ただし、虫歯の応急処置や歯槽膿漏の初期なら、アロエは効果を発揮します。
 アロエは、とげを抜いて水洗いしたものを熱湯にくぐらせてから、幅2〜3センチに切り、痛む歯でかんでみます。痛みが軽いとこれでおさまりますが、ひどい場合にはアロエ汁を痛む部位に塗りつけるか、ゼリー状の部分をあてておきます。また、虫歯の穴に、しぼり汁を含ませた脱脂綿を詰めるのも効果的です。

 歯槽膿漏の場合も、歯ぐきにアロエ汁を塗ります。これにマッサージをプラスすると、アロエの浸透効果がよくなり、いっそう効果的です。まめにつづけているとやがて、アロエの消炎作用ではれがひき、歯ぐきがしまってきます。これで、初期の歯槽膿漏は治ってしまいます。

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【 ポイント 】
歯みがきかうがいで口腔を清潔にする。
歯痛の場合には、熱湯にくぐらせた生葉を2〜3センチ幅に切り、痛む歯でかむ。
歯槽膿漏の場合には、歯ぐきにアロエ汁を繰り返し塗る。


◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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