口内炎。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 口のなかの粘膜が炎症をおこした状態を総称して口内炎といいます。
 口内炎は、とかく軽く考えられがちですが、あながちバカにはできません。

 というのも、全身の不調、特に風邪、肺炎などの呼吸器や、胃腸などの消火器、さらに肝臓などの疾患がある場合、口のなかの粘膜の抵抗力が弱くなり、細菌感染によっておこるケースが多いからです。つまり、口内炎を体の危険信号と考えて、体の病気を疑ってみなくてはなりません。
 原因は何であれ、口内炎にも、アロエは効果を発揮します。アロエには炎症をおさえる効果があるのはよく知られていますが、そのほかアロエに含まれるアロエチンの殺菌と中和の二大効果で、さらに感染による悪化を防ぎます。これらアロエの薬理作用のなかでもアロエウルシンは、潰瘍をおさえる働きがあります。
 治療には、アロエのとげをとったものを十分水洗いしてからしぼります。このしぼり汁を水で約4倍に薄めたもので、1日に数回うがいします。
 口内炎の症状が重くて治りにくいときには、脱脂綿にしぼり汁を含ませ、それを炎症の部分にあてていると、患部に直接作用してより効果的です。

 ところで、口内炎は、口だけの疾患というよりも、全身疾患や呼吸器や消火器など内臓疾患の症状である場合が多いので、外用で炎症をおさえるとともに、内用で体調を回復させることが大事です。毎日生葉をかじるとか、アロエ茶、アロエ酒を内用していると、口内炎の治りと一緒に体調がととのってきます。
 いっぽう口内炎は、アレルギー性によるものがありますが、アロエをもちいても完治すること。

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【 ポイント 】
しぼり汁を水で4倍に薄め、1日数回うがいをする。


◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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