生葉の丸かじりや、おろし汁にして内用することは即効性に優れているのですが、アロエに慣れていない人、体が弱っていたり、熱のある人、女性、子供には効き目が強すぎるという大きな欠点があります。特に、空腹時には吸収がいいので、このとき大量に食べると、たいていの人が下痢や腹痛をおこします。
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効き目を穏やかにする方法の一つに、アロエに甘味料を加えることがあります。甘味料は苦みをやわらげるだけでなく、アロエの吸収速度を遅くする働きがあるのです。 |
アロエの蜂みつ漬けは、さらに、蜂みつに含まれているビタミンやミネラルが体にとてもいいので、体が疲れているときなどに最適です。
また、胃弱や胃のもたれ、食べ過ぎ、二日酔いなどにも有効です。
1日に大さじ1、2杯が目安です。そのままでは飲みにくい人は、お湯か水で薄めてもよいでしょう。
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【 ポイント 】 @生葉3枚、レモン1/2、蜂みつを用意する。
A生葉はとげをとり、よく洗い、2、3mmの厚さに千切りする。
B輪切りにしたレモンと千切りにした生葉を蓋付きの容器に入れる。
Cアロエとレモンが隠れるくらい蜂みつを入れ、5〜6日漬ける。
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アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。
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