人間の皮膚は、二十八日周期で皮膚を構成している細胞が死滅してあかとなって脱落し、新しい細胞と交代します。しかし、交代がスムーズにいかなくなると、しみ、そばかす、ニキビなどがあらわれ、弾力性やつやを失い、皮膚の老化を促します。
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交代がスムーズにいかなくなる原因には、便秘や胃腸病などの内的要因や、紫外線などによる外的要因が考えられます。
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アロエを内用、外用すると、殺菌作用、抗炎症作用、抗潰瘍作用などの薬効が、内的・外的の両面から表れるうえに、ビタミンB2・B6・B12が豊富で、繊維分も多く、栄養的にも美容につながります。
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美顔にアロエを利用する場合は、葉の外側の青い部分には刺激が強い成分が含まれているので、中身のゼリー状を使います。
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また、アロエマッサージは入浴前に行ないます。アロエ液が毛穴にしみ込み汗と汚れをとり除き、入浴後の肌はスベスベです。
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【 ポイント 】
@4cmほどのゼリー状をとりだし、しぼり汁を作る。 |
A化粧を落として、しぼり汁を顔につける。 |
Bマッサージ
・「の」の字を書く
・たたく
・目じりをつまむ
・引っ張る |
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アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。
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