動脈硬化が原因の大動脈瘤
大動脈とは心臓から直接つながっている太い動脈のこと。大動脈瘤というのは血管が高い血圧に耐えられなくなってしまい、風船のようにプックリ膨らんでしまった状態をいいます。
通常の状態では、心臓から送りだされる高圧の血液は、弾力性にとんだ大動脈に流れこみ、猛烈な勢いで全身に流れていきます。
ところが、この大動脈が動脈硬化を起こしていると、高い血圧に対応できなくなってしまいます。その結果、血管が外側に膨らんでしまうわけです。
瘤は破裂する前兆
瘤ができるのは、まだある意味では幸いです。なぜならば、高血圧を瘤という一種の緊急避難の形で吸収したからです。もし、吸収できなかったとしたらどうでしょう。血管はたちまち破れ、大量の血液がそれこそドッと流れでます。
実際に大動脈が破裂してしまうと、肉体的なショックは、はかり知れないほど大きく、たいていの場合は死に至ります。
大動脈瘤にヒビがはいっただけでも、肩や背中、腹部にたいへんな痛みが生じます。
手術によって血管を補強
大動脈瘤は偶然に発見されることが多いものです。というのは、これといった自覚症状がないからです。瘤ができれば、多少の痛みはありますが、腹部の動脈瘤以外は、腫れたりしません。
予防はひたすら動脈硬化にならないこと。かりに大動脈瘤が発見されたら、血管が破裂する前に人工血管をつけたり、あるいはツギアテをしたりして、血管を補強します。