脳動脈硬化症

血圧のコントロールが大切

 脳の血管が動脈硬化を起こしてしまうことで、高血圧が引き金になって、脳梗塞、脳内出血といった事態を引き起こします。

 脳動脈硬化そのものの発生に、高血圧は直接には関係していません。その証拠に血圧が正常な人でも脳動脈硬化は見られます。ただし、同じ症状をもっていたとしても、高血圧の人のほうが危険度から見ればけた違いに大きいと言わざるを得ません。

 脳動脈硬化が発見されると、高血圧による脳血管の破壊を予防するために、降圧剤を使用することが多いようです。薬による血圧安定も重要ですが、精神的なことや食生活なども大きな要素ですから、血圧が上がらないような生活を心がけたいものです。

自覚症状は多彩

 脳動脈硬化症は症状がある場合は、頭痛、めまい、立ちくらみ、肩こり、手足の冷え、物忘れ、耳鳴り、不眠、とじつに多彩です。しかし、無症状の場合が非常に多く油断は禁物です。

 更年期障害とまちがわれそうですが、脳動脈硬化症は脳のトラブルからくるものです。したがって年期よりさらに年齢の上の高齢者にこういった症状が多く見られます。なぜならば、脳動脈硬化症は高齢になるほど進行するからです。

 こうした状態が長く続いたり、あるいは症状がすすむと、脳血管性痴呆症といった症状におちいることがあります。

 糖尿病は脳動脈硬化を促進させますから、こうした病気にも注意することです。