すぐに血圧上昇
人間、年をとれば誰でも動脈硬化におちいるものです。その結果、少々血圧が上昇するのはやむをえません。
年をとれば耳が遠くなったり、目がかすんだりするのと一緒なのです。ただし、血圧と他の老化現象との著しい違いは、脳卒中など直接、死に関係している危険な症状だということです。
老年期の高血圧の特徴は、最高血圧の上昇が特徴的で、最低血圧はあまり変化しません。最高血圧が200を軽く突破してしまうお年寄りもめずらしくはありません。
もう一つ特徴的なことは、ちょっとした刺激ですぐに血圧が上昇してしまうことです。
階段をのぼる、早足で歩く、ショックなできごとに遭遇する、といったことで、心臓が早鐘のようになり、それがそのまま血圧となってあらわれるのです。
その結果、脳卒中などにおちいるわけです。
日常生活に気をつける
血圧降下剤を服用しているとはいっても、お年寄りの場合は安心できません。というのは、血管そのものがもろくなっていますし、ちょっとしたことですぐに血圧が上昇してしまうからです。
日常生活で気をつけなくてはならないことは、重いものをもったりしないこと、急に動かないこと、怒らないこと、気温の急激な変化を受けないこと、とくに寒さには注意すること、などです。
軽い晩酌程度ならばかまいませんが、過度の飲酒は慎みましょう。またタバコについても同様です。
薬を飲んだら変化に気をつける
お年寄りは薬が一般的に効きすぎる傾向にあります。血圧降下剤を飲んで、立ちくらみやめまい、動悸など、服用前には見られなかった症状がでるようでしたら、血圧が下がりすぎた結果かもしれません。
下がりすぎると脳梗塞などの発生の危険があります。
薬はなんでも効く、というのは誤解です。とくにお年寄りの場合は様子を見ながらの投与になりますから、服用後の体調の変化は、くわしく担当医に報告するようにしてください。